中国は広大な国土を持ち、食文化は長い歴史を誇ります。各地で生まれた定番の軽食は、味覚の楽しみであるだけでなく、その土地の歴史や風習を物語っています。北のやわらかな点心から南の香り高い風味まで、どの軽食にも独自の調理技術と物語があります。
北京・ローダーグン(驴打滚)
ローダーグンは、明・清時代に宮廷の御用点心でしたが、現在では北京の街角で広く愛される伝統的な庶民の軽食となっています。上質なもち米粉、なめらかな小豆あん、甘い白砂糖を主な材料とし、作り方はスイスロールと似ています。蒸したもち米粉の生地をまな板で伸ばし、均一に小豆あんを塗り、しっかりと巻いて円筒形にし、炒ったきな粉の中で何度も転がして表面に黄金色の粉をまとわせます。その姿がロバが草むらで転がる様子に似ていることから「ローダーグン(ロバ転がし)」と名付けられました。口当たりはもちもちで粘りつかず、米の香りと豆の香りが幾重にも重なり、甘さは控えめでしつこくなく、北方点心のこっくりとした味わいを堪能できます。
本場の味を楽しみたいなら、北京の牛街にある「清真・白记年糕」や「老回回小吃」といった老舗で、伝統の技の魅力を感じてみてください。

主な食材: もち米粉、小豆あん、白砂糖
参考価格: 通常は量り売りで、100gあたり約8~10元
地図
深堀り
スナック
焼き菓子
穀物と麺類
上海・小籠包(ショウロンポウ)
小籠包は上海美食の輝く名刺であり、江南点心の代表格です。上質な強力粉で作った皮に、新鮮な豚肉と煮詰めた肉皮ゼリーを混ぜたあんを包み、竹の蒸し器で中弱火でじっくり蒸し上げます。蒸し器の蓋を開けると、濃厚な香りが湯気とともに立ち上り、透き通った皮は薄くて弾力があり、上部のひだがまるで咲き誇る小さな花のようです。食べる際は「先にスープを吸い、後で肉を食べる」のが作法。軽く皮をかじって旨味たっぷりのスープを吸い、肉の香りが口いっぱいに広がったら、少量の黒酢をつけてさっぱりと味わいます。蟹粉(カニ味噌)やエビ入りのあんを選べば、さらに鮮度が増し、あっさりとした鶏スープと合わせると、脂っこさを抑えつつ旨味を引き立てます。
上海の「莱莱小笼・乔艾」や「馋三尺蟹粉小笼」などの店は、地元の人々や観光客に愛される小籠包の名店です。

主な食材: 豚肉、強力粉、蟹粉、エビ
参考価格: 1籠30~40元程度
中国料理
深堀り
地理参考情報
都市とローカルガイド
観光地
四川・担担面(タンタンメン)
担担面は四川発祥で、辛さと香りが特徴の風味で全国的に人気を博し、代表的な四川軽食です。上質な小麦粉で打った麺は、なめらかでコシがあり、煮崩れしにくいのが特徴。スープは濃厚な出汁に、香ばしく炒めた豚ひき肉、刻んだ青ネギ、カリカリのピーナッツ砕きなどを加え、ラー油、花椒油、芝麻醤などの秘伝のタレで味付けします。混ぜ合わせると香りが広がり、最初に辛さとしびれが来て、続いて豚肉の香ばしさとピーナッツの食感が楽しめます。麺にタレがしっかり絡み、一口ごとに忘れがたい味わいで、四川料理の大胆さを存分に感じさせます。
成都の多くの軽食店や四川料理店で本場の担担面が味わえ、地元の食通が日常的に楽しむ人気メニューです。

主な食材: 小麦粉、豚肉
参考価格: 1杯15~25元程度
東アジア料理
深堀り
湖と河川
旅行
旅行・交通
陕西・凉皮(リャンピー)
陕西凉皮は老若男女に愛される西北の定番軽食で、麺皮(小麦粉皮)と米皮(米粉皮)の2種類が主流です。麺皮は小麦粉で作り、コシが強く弾力があり、米皮は米粉で作り、柔らかくなめらか。どちらも蒸してから指幅に切ります。食べるときは、香酢、赤く香ばしいラー油、ニンニクのすりおろしなどを合わせ、酸味と辛味で食欲をそそり、さらに爽やかなキュウリの千切りやシャキシャキのもやしなどの野菜を加えて、食感に変化をつけます。凉皮は口当たりがさっぱりとして、タレの香りと素材の味が調和し、夏の暑さを和らげ、冬の食欲を増進する一品です。
西安の「志亮灌汤蒸饺・清真」や「子午路张记肉夹馍」などの有名店では、看板メニューに加えて、凉皮も高く評価されており、西北の風味を一緒に楽しめます。

主な食材: 小麦粉または米粉、香酢、唐辛子
参考価格: 1杯20~30元程度
食品
深堀り
旅行
牛肉
スナック
広東・腸粉(チャンフン)
腸粉は広式飲茶や街角の朝食の人気メニューで、透き通った柔らかな見た目と、なめらかでとろけるような食感で知られています。作り方は、なめらかにした米粉の液を専用の蒸し器に薄く広げ、あらかじめ用意した牛肉、エビ、叉焼などの具をのせ、短時間蒸してから巻き上げます。その姿はリボンのようです。口に入れるとなめらかでくずれず、店独自の醤油ベースのタレで、程よい塩加減。好みでラー油を加えてもよいでしょう。具材によって味わいが変わり、牛肉はやわらかく、エビは甘みがあり、広式の「ゆったりと食べる」文化を体験するには欠かせない美食です。
広州の「荔银肠粉」や「穗银肠粉店」などの地元チェーン店は、本格的な製法で知られ、腸粉を味わう人気スポットで、どの店もほぼ満席です。

主な食材: 米、牛肉、豚肉、エビ
参考価格: 1杯30元程度
牛肉
深堀り
スープ・煮込み料理
果物と野菜
中国料理
重慶・小面(シャオミエン)
重慶小面は、山城の人々の日常生活に欠かせない特色ある軽食で、特に朝食に最適です。細長い手打ちの鹹水麺を使い、茹でて水気を切った後、基本のタレが味の決め手。豆瓣醤で赤い油を出し、生姜、ニンニク、醤油、黒酢、ラー油などを加えて調味し、麺を加えて炒め合わせ、最後に青ネギ、パクチー、ザーサイのみじん切り、ピーナッツ砕きをトッピング。麺はコシが強く噛みごたえがあり、スープは酸味と辛味が絶妙。青菜、煮卵、牛肉などのトッピングを好みで追加して、自分だけの一杯を楽しめます。一口食べれば、重慶の熱気が広がります。
重慶の軽食店や食の街では、どこでも小面を見かけます。どの店にも独自の調味の秘訣があり、食べ比べてみる価値があります。

主な食材: 小麦粉
参考価格: 1杯15~25元程度
肉類と魚介類
深堀り
東アジア料理
肉類と魚介類
地図
南京・鸭血粉丝汤(アヒル血の春雨スープ)
南京鸭血粉丝汤は金陵美食の傑出した代表で、南京人の朝食の定番であり、観光客が必ず味わう軽食です。このスープの肝はアヒルの出汁。新鮮なアヒルの肉と骨を数時間煮込み、澄んだスープに濃厚な旨味を凝縮。スープには、豆腐のように滑らかなアヒルの血、歯ごたえのあるアヒルの腸、ふわふわのアヒルのレバー、コシのある春雨が入り、青ネギ、パクチー、胡椒で風味を引き立て、豊かな食感と香りが広がります。熱々のスープを一口すすれば、旨味が喉から体中に広がり、寒さを吹き飛ばす、江南美食の温かさを感じさせます。
南京の「金中鸭血粉丝汤」などの老舗は、本場の味で長年にわたり食通に愛され、この料理を楽しむ信頼できる選択肢です。

主な食材: 春雨、油揚げ、アヒルの血、アヒルの砂肝、アヒルの腸、アヒルのレバーなどの内臓
参考価格: 1杯15~30元程度
スープ・煮込み料理
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穀物と麺類
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地理参考情報
天津・狗不理包子(ゴウブーリーバオズ)
狗不理包子は天津料理の象徴的な美食で、1858年に創業。創業者の幼名「ゴウズ(犬っ子)」に由来し、現在では天津「三絶」の筆頭。2011年には国家級無形文化遺産に登録され、人民大会堂の国宴でも提供された食品です。その製法は独自で「八部操作法」と呼ばれ、こねから包みまで厳格な基準があり、皮は薄くあんはたっぷり、香ばしく脂っこくないのが特徴。柔らかく弾力のある皮を噛むと、小麦の香りと肉の旨味が瞬時に溶け合い、伝統の技の匠の心を感じられます。
天津の狗不理包子のチェーン店は、この定番軽食を味わう公式の選択肢で、最も本格的な味を体験できます。

主な食材: 高強力粉、豚肉(脂身3割、赤身7割)、生姜水、醤油、ごま油、青ネギのみじん切り
参考価格: 1杯40~100元程度
果物と野菜
深堀り
焼き菓子
湖と河川
旅行
長沙・臭豆腐(チョウドウフ)
長沙臭豆腐は湖南料理の定番軽食で、「臭いは強いが、味は絶品」という独特の特徴で知られています。上質な大豆を原料に、選別、脱皮、浸漬、粉砕、濾過、煮汁、凝固、成型、切り分け、発酵など十数もの工程を経て豆腐の素を作り、特製の漬け汁に浸して味を染み込ませ、最後に茶油で皮が黄金色にカリッとするまで揚げます。食べる際は、豆腐の中央に穴を開け、ラー油、醤油、ごま油などのタレを注ぎます。外側は焦げずにカリッと、内側はやわらかくジューシーで、辛味と香りが濃厚。さらに、ニンニクみじん切り、青ネギ、パクチーを加えれば、風味が一層引き立ちます。
長沙の「火宫殿」は臭豆腐の有名店。百年の老舗として製法が受け継がれており、長沙の味を体験するなら欠かせない場所です。

主な食材: 大豆、粗塩、茶油、ごま油、ラー油、豆豉、石膏汁、青礬
参考価格: 1杯10~20元程度
食品
蘭州・牛肉面(ニューロウメン)
蘭州牛肉面は「中華第一麺」と称され、清朝の嘉慶年間に始まり、河南省懐慶府の国子監太学生・陳維精が創始。後に改良され、「一清二白三紅四緑五黄」の古典的な基準が確立されました。スープは澄み、大根は白く、ラー油は赤く、パクチーとニンニクの芽は緑、麺は黄色く輝く。スープは甘南・天祝草原のヤクの骨と肉を、数種類の香辛料とともに数時間かけてじっくり煮込み、あっさりしながら旨味たっぷり。麺は新鮮な強力粉に蓬灰(ほうかい)を加えて作り、大寬、二寬、韭葉、毛細など十数種類の形から選べます。食べるときは牛肉の角切り、ニンニクの芽、パクチーをのせ、赤いラー油をかければ、麺は柔らかくなめらかで、スープは香り高くピリ辛。一口ごとに西北の豪快な風味が広がります。
蘭州の「馬子禄牛肉面」や「金鼎牛肉面店」などの老舗は、本場の蘭州牛肉面を味わうならまずここ。毎朝、多くの客が行列を作ります。

主な食材: 強力粉、牛肉、牛骨、大根、パクチー、ニンニクの芽
参考価格: 1杯10~20元程度
牛肉

